門司区柳町にある築80年の木造長屋をコンバージョンを始めます。
4店舗を募集しております。

プロデュース・設計:tamtamDESING一級建築士事務所
ブランディング・グラフィック:オカザキデザイン

アルコーブ風呂乃井とは。

北九州市門司区にある築八十年の木造平屋建ての長屋住宅。2013年12月に最後の住人が退去し、次の事業計画が練られるために建物は全て解体される予定でした。しかし、ここの地主の一つの想いから運命が大きく変わります。
二棟(計四戸)が奥と手前で配置されたこの長屋、建築基準法が制定された昭和25年より15年以上も前に建てられ、その基礎に使われている材料は「鉱滓レンガ」です。
北九州市は大正時代から八幡製鉄所を中心とする製鉄産業に支えられ発展してきた都市です。製鉄過程で鉱石から金属を精錬する際に出る屑が鉱滓であり、この大量に出る鉱滓の再利用を考えられて作られたものが「鉱滓レンガ」で、現在の建築基準法では基礎への使用は認められておらず、この「鉱滓レンガ」を基礎に使った建物は解体してしまうと二度と復元することはできません。
この築八十年の木造建築には北九州市の発展産業の歴史が垣間見られ、解体してしまうにはあまりにも惜しい存在です。地主の「何か利用する方法は無いか?」との思案に当方の計画を採用して頂きました。
歴史を語るこの木造建築を次の時代に託せるよう、用途を「店舗」に変更します。元々は「住戸」だった四区画を店舗にする事で既存空間が持っていた従来の価値を別の用途から新しく見出し、また多数の人々に感じてもらう事でこの木造建築の「新概念」が見つかります。このことを軸とし、入居する四店舗がこの地域から発信していく事で、建物の新概念と相乗し、この建築が持つ時間の経過でしか表現出来ない力が入居店舗の発信を助長し、活躍の場を拡げてくれることを狙いとしています。
「風呂」とはこの町の古字です。その昔、安徳天皇が体を休めるための風呂の水をこの町にある「井戸」から汲んでいたそうです。この古字を地域の記憶から消したくないという想いと、この木造建築の「新概念」に新しい時代の入居者が「浸かる」というイメージから建物名を「風呂乃井」にしました。
これからの「風呂乃井」、新概念に浸かった四店舗が引き起こす化学反応やこれからの成長がとても楽しみです。
2014年夏、オープン予定。

 

詳しくはアルコーブ風呂乃井ウェブサイトからお問い合わせください。